蔵前工房とSDGs

蔵前工房の製品の主材料は革です。

革はご存じのとおり食肉の副産物です。主役はあくまでも肉で、われわれは副次的に産出されるいわば廃物である皮を加工して革として利用させてもらっている、だから革はとってもエコな素材なんだ、と思って使っていました。これは別のところでも書きました。ところが近ごろ、この確信がゆらいできています。革は環境にやさしくないし、サステナブルでもない。いや本当は革は、ではなく肉は、なのですが。

地球上の人口は2021年現在78億7,500万人だそうです(世界人口白書)。そして今後もどんどん増加して、2030年には85億、2050年には97億と予測されています。そうなったときこれだけの人々が食べていくには、早い話肉なんて食べてる場合じゃないということなのだそうです。

特に牛肉、牛を育てるために飼料として穀物やトウモロコシを栽培するのは、とてもエネルギー効率が悪い。タンパク源を肉に頼っていたらいくら耕地があっても足りなくなる。作物は人間が食べるために栽培するしかない。そうしないといつか食糧危機が訪れ、また生態系のバランスも生物多様性も維持できなくなってしまう。

さらに温暖化ガスのかなりの部分を家畜が発生させていて、その量は世界中の自動車と航空機により発生する総量よりも多いのだとか。びっくりですが、要は食糧問題、環境問題、温暖化問題どの面でも肉食はOUTなんだそうです。肉がOUTならば革もOUTです。実際すでに植物由来の代替肉の開発が進んで、商品化も広がっています。

また生きた動物を介さず、肉の細胞を培養して本物の肉を作る研究もおこなわれていて、一部実用化もされているとか。将来的には肉も革もない世界が到来するのかもしれません。それが遠い将来なのか、案外近い将来なのかわかりませんが、現在は肉も革も普通に供給されています。

蔵前工房では革の供給が続く限り、革を使っていこうと思っています。革が好きなので。そして肉も好きなので。できる限り廃物利用を続けていくつもりです。

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